ホンのつまみぐい

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ノイズミュージックはラーメン二郎/This Remortal Coil@ドイツ文化センターにZVIZMOを観にいきました

元BiSのテンテンコが蛍光灯音具OPTRON(オプトロン)プレイヤーの伊東篤宏と組んでやっているユニット「ZVIZMO」を観るという目的で、ドイツ文化センターに行ってきました。

インスタレーション、トーク、ライブ: This REmortal Coil - Goethe-Institut Japan

ZVIZMO

ZVIZMO

 

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会場はセンターの講堂と講堂入口前のスペースを交互に使っており、体育館としても使えるような開けた会場に、服装も年齢もばらばらな人々がぱらぱら群がる様子は、ライブという言葉の持つ高揚感とは距離があり、ちょっと不思議な光景でした。

唐突にアナウンスされたこのイベントがどんな目的で開催されたのかはイマイチわからなかったのですが、とにかくノイズやアンビエントといった、通常の音楽イベントでは異分子として登場するようなメンツが揃っているようでした。

ノイズはBiSやゆるめるモ!が非常階段とコラボしていた頃に観たきりなので、起こることがいちいち新鮮。

まず驚いたのが「ノイズの人は楽器を自作する」ということ。

・「見た目ほぼ蛍光灯」の光る打楽器
・音と関係があるのかは不明なブラウン管TVやアンテナを配置した装置(あとで調べたところ、あくまでインスタレーションで楽器ではなかったようです)
エフェクターらしきものを両腕で抱え、振り回しながら音を出す

などなど。

楽器や演者のたたずまいに、SFというには少し古臭い昭和特撮的なあどけなさがあって、何となく親しげな気持ちになりました。

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ところで、私はノイズは非常階段と、彼らが企画したイベントでのセッションしか観たことがなかったのですが、非常階段ってノイズの中ではエンタメの部類なんですね。音が華やかだし、感情的。

Black Smoker recordsのイベントでは前衛的に見えたK-BOMBのユニットがむしろわかりやすく、楽しく聴けたのが面白かったです。

 

5月前半に参加したイベント(ウテギャ&963、Erection10周年、BLACK SMOKER RECORDS20周年、UNDERHAIRZ「ラップ酷いリリック烈伝」) - ホンのつまみぐい

この日のノイズはだいたいが聴き方がよくわからない感じでしたが、冷蔵庫が鳴らすブーンという音をのばしたり引っ張ったりしたような演奏など、懐かしい気持ちになる瞬間もありました。

K-BOMBリスペクトのぽじくんとお友達のなべはるくんが来ていて、ぽじくんのCDを買ったりもしました。

さて、ZVIZMO。

さっき書いたように、私はまだまだノイズの聴き分けができるほど音に対して柔軟ではないので、ZVIZMOがやっていることをうまく受け止めて表現できないのですが、BiS在籍中はとがったことをやろうとしつつも、いまいち自分をコントロールしきれずにその攻撃的な面だけが目立っていたテンコが、こういう大仰な舞台でさまざまな人の注目を集めながらどうどうと好き勝手な音を鳴らしている姿はとても清々しかった。

それを、別のジャンルの音楽がきっかけで出会った若者と同じ空間で観ているという状況も含めて、気持ちが明るくなる夜でした。

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phewまで見たかったのですが、病み上がりなので断念。

帰り道で青年二人と

私「ノイズってたま~に聴きたくなるけど、ガチのイベントには行きづらいんだよね。昔応援してたアイドルが出る・無料というきっかけがあってやっと行くみたいな感じ」
ぽじ「それありますね。ラーメン二郎みたいな感じで、たまに食べたくなるみたいな」
なべはる「それ、行って後悔するやつじゃん」

という話をしたのが楽しかったです。ノイズはラーメン二郎かあ。

 

参考までに、テンテンコがアイドル時代のラジオで発表した曲。自分の咳やささやきをサンプリングして作った曲を流してました。

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