ベルハーについてはすでにいろいろな人が言葉を尽くしているし、きっとたくさんの人が昨日のことについて書くと思うし、書き留めるべき個人的な思い出もないので、簡単に。
3時間弱、アンコールも含めて37曲。
フロアの狂騒も含めてライブアイドルの面白さというのは言うまでもないこと。この日も当然、リフトされながらサイリウムを振り回すオタクや、倒れこむようにサーフするオタク、振りコピを楽しむオタクがフロアにあふれていたけれど、途中からそうしたオタクの喧噪すらステージの緊張感が飲み込んでいって、リフトで上がるオタクたちの背中が完全に舞台装置の一部に見えて来たのが印象的だった。手を天井に差し伸べる振付の多いベルハー。ステージに向けてオタクが手を差し出す様が演劇的。
「ROOM24-7」「男の子、女の子」「タナトスとマスカレード」「サーカス&恋愛相談」「low tide」の流れは、まるで学生時代に見ていた寺山修司の実験映画のようで、特殊な儀式を目にしているようだった。いや、でも寺山の作品はいつも人間が道具になっていたけど、アイドルはどれだけの音楽的強度に支えられていても、主役は女の子たちなのだ。というか、ちゃんと主役になれる女の子たちがいてステージが完成するのだ。
最後に「the Edge of Goodbye」のサビを繰り返し、オタクがヘロヘロになっていく中、みずほちゃんが「あれ~~え?」と言いながらフロアとのじゃんけんを続けていくさまがとっても可愛かった。
そう、この日はみずほちゃんがとても楽しそうだった。いや、メンバーそれぞれが楽しそうだった。自分を含む多くの人にとっては「この日が最後のベルハー」だったと思うけれど、ステージは湿っぽくなくて、アンコール2曲目で折られた、メンバーそれぞれの色のサイリウムもなんだか商店街のお祭りの電飾みたいな浮かれた風に見えた。甘楽ちゃんだけちょっと失敗していて、最後のMCで顔いっぱいに悔しさをにじませていたけれど。(翌日インフルエンザと判明)
アンコールでスクリーンに、さらっとメンバーの卒業後はベルハーの名前がなくなることが伝えられ、「ベルハーはベルハーの好きなようにやるから、お前らはお前らのロックをやれ」という文字が流れる。
田中プロデューサー、健気な人だ。
LinQの再編、あヴぁんだんどの小日向夏季ちゃんの卒業、BELLRING少女ハート甘楽ちゃんの卒業兼移籍、lyricalschoolの3人卒業と衝撃ニュースの続いた週だけど、感傷より先に、やりきった喜びや楽しさを前に出すメンバーがすがすがしかった。
「出会っていればきっとベルハーを好きになった人」の多くが、その名すら知らぬうちに終わってしまうのは悲しいけれど……。
パシャッ📷赤坂BLITZでワンマンでした!ありがとうございました! pic.twitter.com/7BazqyYJFG
— カイ (@kaiBRGH) 2016年12月22日
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