ホンのつまみぐい

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「萩尾望都SF原画展 宇宙にあそび、異世界にはばたく」を観た中央線サブカルロードの一日

高円寺から吉祥寺、吉祥寺からの中野ブロードウェイといういかにもな中央線散策をマンガ好きの友人ふたりとしてまいりました。

お目当ては吉祥寺の萩尾望都SF原画展。
 
高円寺でフォーとチキンライスのセットを頂いて、文禄堂を見学して吉祥寺へ。
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原画展会場は吉祥寺美術館。コビス吉祥寺7階の小さなスペース。
4つの部屋を時期ごとにわけ、「11人いる!」「スターレッド」に代表される70年代の部屋。「百億の昼と千億の夜」、レイ・ブラッドベリのコミカライズ、小説の挿絵やジャケットイラストの部屋。「銀の三角」「マージナル」に代表される80年代の部屋。「あぶない丘の家」「ここではない★どこか」など90年代以降の部屋で構成。
 
柔らかい描線と哀愁のある瞳の表情、そしてカラーバランスが美しい!
 
先日の川崎のぼる展はマンガ文法で描いていた川崎のぼるが、描き続けていくうちにマンガ文法を超えた迫力を生み出していく過程が感動的だったけれど、萩尾望都は最初からがっちりと自分の世界を持っていて、それをマンガ枠の中で飄々と表現している印象。
華やかな画なのに甘くない絶妙な色バランスが光る「ハーバルビューティー」の原画や、民族衣装に想を得たであろうコスチュームのバランスがクールな「マージナル」、ピンクの涼やかさな透明感が美しい「ウは宇宙船のウ」の原画が印象的でした。
 
モー様は絵が巧い人がマンガ家になった人なんだな。マンガの世界に来てくれてありがとうございます。
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ところでマンガの原画展はこのくらいの密度、暗さ、高さが理想的だと思いました。銀座の三越で時々マンガ関連の展示もやっていますが、三越は百貨店だけあって華やかに装飾しすぎていて、原画が会場の空気に埋もれているんですよね。
 
三越に限らず、明るすぎる会場はなぜか絵に集中できない。
 
その点吉祥寺美術館や三鷹市民ギャラリーは照明の薄暗さを含めて、展示に集中できる環境でグッド。このくらいの規模感のマンガ原画展が増えると楽しそう。
 
見終えた後は吉祥寺の相原コージのご子息が仲間と経営しているコーヒーショップへ。
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アイスコーヒーを頼んだのですが、きつすぎない酸味が鼻に抜けていく独特の風味。お店を知るきっかけになったぐるなびのマンガにも「コーヒーは果実だ」という主張が出てくるのですが、なるほど木になっている食べ物の香りという感じ。開店からまだ数年なのに、すでに人気店のようで、中には沖縄から来たというお客さんもいました。
その後は中野のまんだらけに行って同人誌をdigったり、四文屋で飲みながら死ぬほど笑ったりしました。
 
アイドルオタクの巣、四文屋……。牛肉うまかった……。

 

萩尾望都 SFアートワークス

萩尾望都 SFアートワークス

 

 この密度でこの値段は安い!いい紙使ってましたね。さすがモー様。

しかし女体にはあんまり興味ないんだなというのがよくわかる内容でもありました。

 

少年の名はジルベール

少年の名はジルベール

 

 

出てくる人たちのキャラが立ちすぎていてマンガのようだった。山岸凉子はおいしいキャラ。面白い本でした。

 

追記:まだ読んでないのだけどこちらも気になる。