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ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

「あしたのジョー+エースをねらえ!+アタックNo.1+巨人の星=スポコン展!」


本展はトムス・エンタテインメントのアニメ制作50周年を記念し、同社制作によるスポコンの原点と称される『巨人の星』、女子バレーボールを描いた傑作『アタックNo.1』、人間ドラマとテニスを融合させた華麗なる名作『エースをねらえ!』、ボクシングの凄惨なドラマが社会現象を生んだ『あしたのジョー』(含『あしたのジョー2』)の4作品を、アニメと原作漫画を通じて紹介。

「スポコン展!」が松屋銀座で開催 -『巨人の星』や『あしたのジョー』などのセル原画や絵コンテ公開

スポコン展行ってきました。

トムスの50周年記念事業と言うことで、アニメのセル画や映像展示に気合いが入ってました。

アタックNo.1」「巨人の星」「エースをねらえ!」「あしたのジョー」と4作品ごとに部屋が区切られていて、原画・セル画・アニメのコンテ・設定画などがびっしり展示。解説少なめで食い足りない気分はありましたが、あれだけ大量のアニメの資料を観られることはなかなかないと思いますので、作品に思い入れのある方なら楽しいのでは。

マンガの原稿もたくさんありましたが、「エースをねらえ!」だけ4枚しか展示されていなかったのがさびしかった。借りられなかったのでしょうか。

併行して川崎のぼる展をやっているせいか、巨人の星の最終回原画がなかったのもちょっと残念。あの異様なバランス感覚で描かれた、あの時あの瞬間しか描けなかったであろうあの画面を初めての人に観てほしかった。でも、単行本に収録されていない扉絵がいっぱい見られたので巨人の星オタク的には満足でした。

扉絵のような大きめの画では、太い線がのびやかに引かれていて、一体どういうペンで描いてるのか気になります。いわゆるGペンだったら、すごい筆圧がかかっているはず。

展示全体の見応えという意味では、「エースをねらえ!」のセル画とジョーのセル画が迫力ありました。

今のアニメではあまり見られない暗めの画。アニメにおける光の表現って本当に多様化しましたが、出崎の光は影の美しさあってこそ。藍色がうまく生きたジョーの試合場面はセルだけでも静謐でした。ジョーの最後の場面がマンガ原稿、アニメのセル、アニメの版権イラストと4種類並んだコーナーが面白かったですね。美しいんだけど、遺影が4つ並んでるみたいで「何回死んでるんだ。こいつ」みたいなシュールさもありました。

会場では「エースをねらえ!」「あしたのジョー」の名シーンを編集したものが大型パネルに映し出されており、大型スクリーンで見る出崎演出に興奮しました。

それにしても、「巨人の星」「エースをねらえ!」「あしたのジョー」を連続して見て、その熱量に当てられると「この人たちは野球だのテニスだのボクシングに人生を賭けたりして、どんどん内省的になって友達もいなくなってしまって、ひょっとして頭がおかしいのかな?」という気持ちになります。(「アタックNo.1」は原作もアニメも読んでいないのでひとまず置きます)

スポーツが極北に行くための材料になっていって、そのものの楽しさや仲間との交流はすり減っていく。みんなたかだかスポーツに、どうしてそんなに縛られてしまうの。そもそももっと楽しいものでしょ。

このへん、日本においてスポーツが軍隊教育と強く結びついていたことを思い出させるけど(巨人の星プロ野球編の最初とかそう)、梶原世界だとさらに孤独に内省的になっていくから、改めて囲まれると正直恐ろしかったです。

梶原一騎って古い日本の象徴として捉えられていて、そういう面もあるけど実は意外と「日本的」ではないよねえ。うまく表現できないのだけど。廃れた理由にはこのへんもある気がする。

「ジョーも星も呪いにつかれた少年の話で、呪いから解き放たれるには闘い続けるしかないんだな。ジョーは闘いに殉じることで開放されたのかもしれないけど、星は呪いから逃げられたのだろうか。いや、開放された後に、きちんと人間に戻れたのかな」というもう何千回も考えた結論のない問いがまた頭に浮かびました。

祖父江慎ディレクションしたというグッズはどれも面白かったです。でも、ガチ勢だからネタとしては使えないし、かといって普段使いできないデザイン! 結局ちょっと買ったけど。図録は印刷も美しくて買いだと思います。解説少ないのだけが残念。



東京松屋銀座は月曜で終わりですが、大阪・高知に巡回するので興味ある方はぜひ。

大阪会場

会期 2015年9月16日(水)〜10月5日(月)
会場 大丸心斎橋店 北館14階イベントホール

高知会場

会期 2015年11月11日(水)〜2016年1月11日(月)
会場 香美市やなせたかし記念館・詩とメルヘン絵本館