読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

ニコニコ超会議3にアイドル観にいってきた

アイドル 音楽

千葉県と遠いこともあって行くつもりはなかったのだけど、チケットの引き渡しのために海浜幕張に降りる。

もともと二次元のオタクなので、アイドルにはまる前はYoutubeではなくニコニコ動画を見ていた。

「もともとこっちの方がホームなんだな〜」「あっ、舞浜!ゼーガペイン!」なんて気分で会場に着くと、幕張メッセの広い会場一杯に巨大なブースがドン!ドン!と立ち並び、それぞれのブースがぶつかり合うように音を鳴らしていて、情報量の多さにさっそくうんざり。意外と居心地が悪い。

出展ブースの性格から考えると、参加者はみな何らかのオタクなのだろうけど、特にオタクっぽいというわけでもなく、コミケに比べるとはるかに雑多な雰囲気だ。

コスプレイヤーの姿もたくさん見かけたけど、みんな気合いが入ってる。コミケによくある出落ち感のあるコスプレや、手作り感や稚拙さのあるレイヤーはおらず。布の質感を見ただけで、「金かかってんなー!」と言いたくなるコスが多かった。見ごたえはあるけれど、多様性が感じられなくちょっと寂しい。しかし、わざとパンツを撮影させてるレイヤーがいて、しかもあんまりかわいくなかったのはちょっと見ていて複雑な気分になった。パンツ見せてでもちやほやされたいか。プライドは大切にしてくれ。

エイベックスブースの場所を確認し、ドロシー(Dorothy Little Happy)まで40分ほど時間があったので、会場全体をざっと見回した。

政党・初音ミク・ゲーム会社・出版社・踊ってみた・演奏してみた・アイドル・アニメ・自衛隊ダイオウグソクムシ……。





脈絡のない大量のブース。

この手の展示会やフェスは何度か経験しているけど、マンガ・アニメ・ゲーム・音楽・自転車・出版・図書館・紅茶など、何かひとつの分野で束ねられることが多い。だから、参加者もどこか仲間意識を持ちつつ会場をうろついていることが多い。

しかし、ニコニコ超会議はそれぞれのブースが分断されていて、参加者が勝手に好きなものにむらがっていく感じ。いわゆる展示会とはちょっと違うなと思った。

会場奥までたどり着くと、超音楽祭2014というブースでジャズをやっていた。この間、横浜で見たばかりのエリック・ミヤシロが舞台の上にいるのを見つけて驚く。任天堂スペシャル・ビック・バンド、あちこちから一流どころを集めてきたようで、音がゴージャス。演奏されているのは聴き覚えのあるキュートで軽快なメロディ。海岸のカフェで流れていたら似合いそうな曲。「なんだろう?アメリカの古いポップスかな」と思いながら聴き終えて、拍手をする。この時はさっぱり気が付かなかったのだが、この曲はスーパーマリオのテーマソングだったのだ。あまりゲーム音楽に思い入れがないこともあるけれど、音の厚みと軽快さの妙がすばらしく、マリオが頭に浮かばなかった。それくらい、かっこよくて気の利いた厚みのある演奏だったのだ。

曲が終わったところで、ドロシーの時間が近づいたので、エイベックスブースへ。

ブースにたどり着くと、デモサヨナラが始まったところだった。ドロシーは紺色のワンピースに襟元と、スカートの切り込みの部分にだけ白をプラスした上品な衣装。

上品な大人の女性のようにも、おしとやかな女子高生のようにも見える衣装は、ターンをするとスカートがふんわりと優しくひるがえる。

メンバーが全員黒髪ロングなので激しく動くたびにスカートと髪がひらひらと舞う。大人しめの衣装がダンスのたびに激しく動く様子はライブアイドルらしい華やかさに満ちていた。ステージとモニターを交互に見ながらドロシーを堪能。

ドロシーが退場してBiSは「oddfuture」からスタート。「CHELSEA」「STUPiG」と続く。ドロシー同様モニターと舞台を交互に見るようにしていたが、最初の2曲で、ドロシーと比べるとカメラの切り替えが自信なさげに見えた。

ボーカルのアップ、舞台全体の映る引き、斜め下からのカメラが順番に続く、特に難しいカメラワークではないのになんでだろう?

私見だけど、ドロシーのダンスは見せ場がわかりやすく、カメラも狙いを定めやすい。しかし、BiSの中でも独特の芝居がかった振り付けのoddfutureと、メンバーの振り付けであろう「CHELSEA」では、それがわかりにくかったんじゃないだろうか。特に「CHELSEA」のダンスはモニターで見ると「決めポーズ」はわかりやすいけど、ダンス全体の見せ場はわかりづらい。以前BiSのダンスはどたばたしていて見苦しいと書かれていたことがあったけど、そもそも振り付けの段階からどたばたしているのか……と思った。

また、客席をなめるようにカメラが動く場面が増え、「そうか、研究員ってカメラに収めたくなるんだな」「いや、カメラに写り込むほど前にでてきているのか」なんて思う。

nerveは単純な振り付けが続くせいか、カメラがすぐに要領を覚えていたのが面白かった。

会場は隣が政党のブースになっていて、自民党の議員が「みなさん、最近日本人は元気がないと思いませんか!」とはやし立てる。そして、その横では全力のBiSと、それを追うようにはしゃぐ研究員。「何が元気がないだよ」とちょっぴり思う。最近なんとなく政治と芸術の関係について考える機会が増えているのだけど、全裸になったせいでCMコンペなどで負けてしまうというこの子たちは、政治には利用されないだろうなと思ってちょっと笑った。

最後の曲は新曲「FiNAL DANCE」。まだまだ歌いこなせていない感じと、音の小ささがあいまって、正直どんな曲かはわからなかったのだけれど、「明日には忘れてる」「またこの場所に」というフレーズのあざとさに苦笑い。ただ、最後を飾る曲が明るい曲だったことにほっとした。

最後には古参研究員が千円札をばらまく。中の1枚をプー・ルイがかかげたところがモニターに大写しになって、笑いをとっていた。

とてもテンションが高く、パワーに満ちていたサキちゃん。「FiNAL DANCE」の落ちサビがとてもチャーミングだったのぞしゃん。優しい歌い方が耳に残っているプー・ルイ。久々に聴いた「CHELSEA」でのウイぽんのシャウト。相変わらずグダっとしているけど楽しそうに歌うコショージ。自分の声のクセをうまく活かせるようになったテンコ。

特に、改めて熱狂から少し離れた場所でじっくりボーカルを聴いて、昔はたたきつけるような歌い方だったテンコのボーカルが、声量が増えたせいかずいぶんチャーミングになっていたことを実感する。

「そんな君が好きだってこと」

何回歌ったかわからないほど歌われたnerveのサビの中に、ずいぶん情報量が増えて、くすぐったいような可愛さが生まれていた。

離れたところから見ていたこともあって、音の小ささが気になって総合点の高い内容ではなかったものの、メンバーはそれぞれが力強くのびのびと歌って踊っていて、もうすぐBiS48から1年というのを何となく思い出しもした。

チケットを引き取らせていただき、超音楽祭2014のステージの戻ると、℃-uteのライブが始まっていた。

さっきまで見ていたドロシーともBiSとも違うアイドル感。

メンバーの顔が派手で、スタイルがいい。

「あっ、これ、モテる顔だ」

女子校出身の漫画家大島永遠の「女子高生」という作品に、本当にクラスの最上位にいる女の子は遊び上手な上に面倒見が良いなんて描かれていたと思うけど、そっち側の女の子。

芸能人としての悩みはもちろんあるだろうけど、普通の女の子が持ってるような恋やら日常やらのちっちゃい悩みは抱えていないみたいに見える。いや、そう見せている。

この日は学生服を思わせるシャツと、スパンコールが入っているのか銀色に光るミニスカートで、チアガールっぽさが満載。
スクールカースト上位」というのは、なるほどこういう子のことか。学校行事を一番ポジティブに、プレッシャーなく楽しめるのはこういう子たちなんだろう。

でも、今この瞬間、彼女たちは自分たちの学校生活を削って舞台の上で、こちらにキラキラを振りまいてくれる。アイドルは偉大だ。

モニターに、会場のオタの波を映した映像が流れる。高く広い波と光るペンライト。大きな波が女の子たちを追いかけていく。美しい胎動だ。

自撮りにフィルターをかけたり、化粧で目を倍の大きさにしたり、頬を手で隠してしまったり、自分では口が開いた写真を決して撮らなかったりするアイドルとは違うなあとしみじみ思ってしまった。

でも、私は素材からキラキラしているアイドルより、女の子のキラキラは1種類じゃないって証明してくれるアイドルが好きなんだ。

℃-uteが終わって会場を出ると、駅前でゆうじという大道芸人が芸をしていた。律儀な8才くらいの男の子をうまくノせて、笑いを取りながら場を作っていく。いわゆるジャグリングなど、わかりやすく沸く芸はほとんどやらず、客と男の子をうまく巻き込んでいた。最後は仮面を付けたサイレントパイトマイムで閉める。飽きさせない、見事な芸。

投げ銭の段になって、自分と同世代か、それより下の人々が「四角いお金」を次々入れていくのに驚く。大道芸はあちこちで見るけれど、あんなにお札が入るのは珍しい。ニコニコ超会議というお祭りの後で、財布がゆるんでいたのかもしれないけれど、心を揺さぶるコンテンツにお金を払うことにためらいのない人たちが、あの場にたくさんいたということかもしれない。

そうだとしたら、それはとても暖かい話だ。

恥ずかしながら財布の都合で丸いお金しか入れられない自分をちょっぴり恥じた。