ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

大友克洋GENGA展感想

 更新しそびれているうちにまとまった感想を描く気分じゃなくなってしまったので、行った直後のメモをそのまま。

 私は大友克洋詳しい人じゃないので、認識を改めてっていう感じの感動が強かった。一番驚いたのは、「AKIRA」(未読)の原画に手塚治虫遺伝子を強く感じたこと。文明という巨大なものと、少年少女というはかないものを同時にとらえる力。メタモルフォーゼ。

 カタストロフは終末を臨むやけっぱちの願望や、子どもっぽい破壊衝動を伴っていることが多いのだけど、そういうのを感じなかったのも珍しいなと思った。ナウシカを思い出したけど、自然がまったく出てこないところは違う。

 また、非常に体温の高い作家だということがまとめて見ることでわかった。絵柄は乾いてるけど、それは生き物に対して体温を感じていないんじゃなくて、個人というのが巨大な文明やら共同体やらの一部だっていうとらえ方なんじゃないかなあ。そういうところも手塚的である。

 ねじ式、アラレちゃん、サイボーグ009などをネタにパロディをやるという2pものの特集連載が展示されていて、ロボット三等兵のパロディに添えられた文章に「ガンダム的なものは日本でメジャーにならなかった。ロボット三等兵的なユーモアがないからだ」みたいなことが書いてあってちょっと驚いた。しかし、ロボット三等兵って大友克洋教養人。

 この人がアニメ・映画にいってしまったのもわかるような気がする。「AKIRA」にはすごくたくさん集中線が出てくるけど、線そのものから「もっと速度を!」って声が聞こえるような気がした。広告用のイラストレーションに、招き猫などを手から離す瞬間が3コマで構成されたシリーズがあって、それはそのままアニメとして動かせそうな出来だった。

 しかし、「AKIRA」にせよ「童夢」にせよ、あんなんが週刊連載されて何十万冊、何百万冊と読み捨てられてきたと思うとまんが文化すごい。

GENGA - OTOMO KATSUHIRO ORIGINAL PICTURES -

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