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ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

最近読んだ本

子どもの本と〈食〉物語の新しい食べ方

子どもの本と〈食〉物語の新しい食べ方

ベジタリアンになる竜の話とか、『秘密の花園』と『小公女セーラ』の相違点とかいろいろ面白かった。
60年代以前はむさぼることに強いマイナスイメージがあって、おなかいっぱい食べる物語が肯定的に書かれなかったという話が一番びっくりしたかな。

現代児童文学の語るもの (NHKブックス)

現代児童文学の語るもの (NHKブックス)

これすごく面白かった。図書館で借りたのだけど、なんとかして購入したい。
「成長物語」と「遍歴物語」という表現が面白かった。
「遍歴物語」は『サザエさん』や『アンパンマン』のように、登場人物が同じ舞台で物語を反復する形式の物語のことだという。そして、「遍歴物語」が表現しているのはたとえば『アンパンマン』だったら「愛と正義」のような観念なのだということが書いておりました。
なるほど。私尺度でわかりやすくいうと『カイジ』シリーズにおいて『賭博黙示録カイジ』は成長物語で、最初のカイジと最後のカイジはすでに別の人間だけど、それ以降の『破戒録』『堕天録』では最初と最後に人間的な大きな変化があるように思えない。それは『黙示録』以後のカイジが観念になってしまったからだと思うと非常に合点がいく。この観念という表現は便利だなあと思っていて、たとえば『巨人の星』だと飛雄馬は成長物語の主人公だけど、ほかのキャラクター、伴や花形はあくまで観念だからどれだけ経験を積み重ねても人間的に大きな変化がもたらされない。『新・巨人の星』であまりに成長のない脇役たちにちょっとぎょっとしたのだけど、それは彼らはあくまで観念であり、物語のための素材にすぎないからだということの証明なんだろう。ただ、一徹がちょっとよくわからないんだけど……。
最後の戦後児童文学年表が文学のみならずマンガ、アニメなどのカルチャーも網羅していて便利。

映画館と観客の文化史 (中公新書)

映画館と観客の文化史 (中公新書)

よく聞くドライブ・イン・シアターってこういうことか。映画鑑賞の方法の変化がテーマなんだけど、ちょうど映画祭のボランティアをしていたところなので面白かった。
豪奢な映画館、ドライブ・イン・シアター、野外劇場、そしてDVD鑑賞では映画の受け止め方は違って当然だし、作り方も変わってきますよね。
最後に、豪奢なハリウッド周辺から少し行くと街の映画館が閉館しているさびしい風景が広がっているという話が書いてあって、アメリカでも同じような問題が起きているのだなと。