ホンのつまみぐい

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舞台

Burlesque TOKYOに行ってみた

経営者逮捕のニュースで思い出したので記録。 少し前にバーレスクトーキョーにドルオタの知人と行った。 本題に入る前に少し。 バーレスクは芸能のひとつであり、身体表現ジャンルのひとつだけど、バーレスクトーキョーは芸能・表現としてのバーレスクに出会…

そりゃみんな好きになるわと思った女子プロレス観戦「STARDOM in KORAKUEN 2024 Feb.2」

やっと女子プロレスを観た。 なぜやっとなのかというと、私がこれまで接してきたさまざまな文化が、しばしばプロレスと交差していたからだ。 梶原一騎とプロレスは切り離せない深い縁があるし、ノンフィクションではプロレスは人気の題材だ。 ももいろクロー…

歌うシャイロック@池袋サンシャイン劇場

ユダヤの金貸しを悪役に据えたシェイクスピアの『ヴェニスの商人』を下敷きに、差別され、故郷を追われる人々の悲哀を描く音楽劇。 ちょっと知識のある人なら、金貸しシャイロック視点の物語というのが観る前から予想できるだろう。 かつて劇団四季が台本を…

神奈川県民ホールでロバート・ウィルソン/フィリップ・グラス『浜辺のアインシュタイン』

ミニマル・ミュージックの生演奏でダンスが観れるということしか知らずに、「なんかすごそう」という好奇心で入った浜辺のアインシュタインが本当に素晴らしかった。ちなみに私のミニマル・ミュージックに関する知識は「maison book girl(アイドル)がやっ…

キエフ・クラシック・バレエ『白鳥の湖』神奈川県民ホールにて

ウクライナのキエフ・クラシック・バレエ団による公演。キーウではなく、キエフ表記なのは、もともと2020年予定の延期公演だからとのこと。プリンシパルは長澤美絵という日本人女性と、クリスティーナ・カダシェヴィチの交代制で、この日は長澤さん。日本の…

秀山祭九月大歌舞伎 二世 中村吉右衛門一周忌追善「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」「昇龍哀別瀬戸内 藤戸」

仮名手本忠臣蔵は物語のあまりに共感しがたい設定に鼻白んでしまった。仁右衛門がいいと言われていたが、人物像が理解しがたくてよくわからなかった。海老蔵はなんだか軽かったし、おかる役の雀右衛門がうまいのはわかったが、楽しくなかった。 藤戸はとても…

平成中村座 十月大歌舞伎「双蝶々曲輪日記 角力場」「極付幡随長兵衛 公平法問諍」

江戸時代に実際に使われていた「芝居小屋」を現代に再現させるという試みで作られた「平成中村座」での公演。歌舞伎を観るのは4回目。 桜席と呼ばれる2階の長椅子席での観覧。実在した芝居小屋にあわせたのか、ひざをしっかりたたまないと座れない作りになっ…

ナショナル・シアター・ライヴ「戦火の馬」@シネ・リーブル池袋

第一次世界大戦の勃発により、主人公テッドが幼い頃から育てた馬のジョーイは軍馬として徴用されてしまう。テッドはジョーイを追って年齢を偽り入隊し、戦場におもむくが……。 ストレートな動物と人の友情物語で、なおかつ動物という立場の弱い存在を通して戦…

「路上の身体祭典 H!」新人Hソケリッサ!横浜/東京路上ダンスツアー#2

ドキュメンタリー映画「ダンシングホームレス」で知った、ホームレスたちによるダンス集団「新人Hソケリッサ!」の公演。冷たい冬の風の吹く日で、映画に出てきた路上生活の過酷さを想像した。 ソケリッサのダンスは振り付けがなく、身体の動きはわかりやす…

シネマ歌舞伎「三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち」

原作の「風雲児たち」が好きで一時期よく読んでいたので、三谷幸喜による歌舞伎化が映画館で観られると聞いて足を運びました。 生身の人間が演じることで、北の大地の過酷さや異国の地でのやるせなさが引き立つようになっていたと思います。 特に、年長者の…

国分寺の早春書店→新宿で快楽亭ブラック★牧瀬茜・栗鳥巣☆当方名人会

備忘録的に。新宿の快楽亭ブラックさんのイベントで久々東京に。ついでに国分寺の早春書店さんへ。 これは途中で買ったファンフル洋菓子店のたぬきケーキ。頭はバタークリームで体はスポンジケーキのチョコケーキ。素朴なお味。 コメカさんにごあいさつ。雑…

地下アイドルと高橋留美子とシェイクスピア/ナショナル・シアター・ライブ「夏の夜の夢」

ツイッターでビヨンセ神輿という言葉を見かけて足を運んだ「ナショナル・シアター・ライブ夏の夜の夢」。イギリスのナショナル・シアターでの上演作品を高品質な映像でとらえ、映画館で上映するという企画だ。 自分が好きだったさまざまなものを思い起こさせ…

古い人たちの話

映画の配給・制作に加え、映画館の運営を行うアップリンクの代表・浅井隆がパワハラで告発された。 www.oricon.co.jp 彼がかつて寺山修司主催の劇団「天井桟敷」の舞台監督だったと聞いて、連鎖的に井上洋介の個展で聞いた話を思い出した。 ギャラリーには井…

久々に「Cats」を聴いて、どうしてグリザベラが天上に行く猫に選ばれるのかについて考えた

アンドリュー・ロイド・ウェーバーが募金活動の一環として48時間限定配信している「CATS The Musical - FULL STAGE SHOW | The Shows Must Go On - Stay Home #WithMe」を観た。 「人間に飼い馴らされることを拒否して、逆境に負けずしたたかに生き抜き、自…

配信でも意外と演劇は楽しいし、飢えは憧れとしてそのまま残る

遊びに行けなくなってからよく観るようになったのがお芝居の配信。 中学生の頃に友人から借りたオペラ座の怪人(市村正親版)のCDを聴き倒し、NHKの芸術劇場で放送していたさまざまな芝居をかじりつくように観て、高校では演劇部に入っていたのに、しばらく…

横浜中華街の春節娯楽表演

中華街の山下町公園で行われた春節のお祭りの一環。獅子舞・龍舞・舞踊・中国雑技などの中国伝統芸能が披露されたのですが、いずれも圧巻でした。 変面からの椅子倒立の満足感がすごかった。それにしても、みんなスマホを掲げているせいか、拍手や歓声があま…

Maison book girlワンマンライブ「Solitude HOTEL ∞F」という体験についての雑感

私はブクガをサクライケンタの作った美しい水槽だと思っていた。 きれいな水が張られ、中を可愛らしく演出した水槽は美しいし、光によって色を変える穏やかな華やかさがある。でも、それはあくまで箱の中の物語で、その世界を愛好する人たちが耽溺するのが一…

歌舞伎町のショーパブ「nest」と、渋谷 7thFLOORでの「MIDWEEK BURLESQUE」でダンサーいろいろを実感

ストリップ以外のさまざまなショーを観てみよう!と思って歌舞伎町のショーパブ「nest」へ。 ユリイカの「日本の男性アイドル」特集読書会で出会ったMさんがご一緒。私がストリップに行ってることを伝えたら、Mさんが「バーレスク行ってみたかったんです」と…

六角橋ヤミ市で感じる祭りの体温と横浜の音楽

刑⚡︎鉄(ロベルト吉野と高橋渓太のAC/DCトリビュートバンド)が出るというので久々の六角橋ヤミ市。 六角橋ヤミ市は商店会が地域振興のために始めたお祭り。道幅の狭い商店街の前に机一つの露店やフリマが並びます。 ライブやパフォーマンスはおせんべい屋の…

大衆演劇初体験/たつみ演劇BOX「三人吉三」@篠原演芸場

ストリップで知り合ったKさんと、もと演劇雑誌の編集者のHさんの案内で大衆演劇を見ました。関東台風直撃の前夜、帰りの足があるかハラハラしながらの日でした。 場所は十条の篠原演芸場。駅を降りて古い商店街を歩いていくと、店先のあちこちに劇団のポスタ…

川崎能楽堂にて演劇集団「俄」によるサイバーパンク歌舞伎Vol.3「FUXAiBXUE-フカイブルー」を観ました

前回と比べ、すごくわかりやすく面白くなってました!(一度能楽堂の前を通り過ぎてしまい、20分遅刻しましたが……) ちょうど6日前に大衆演劇で「三人吉三」を観て、その不条理な感情の動きに驚きつつ、だからこその野蛮なダイナミズムに感心してもいたので…

演劇集団「俄」サイバーパンク歌舞伎Vol.2「ヒカ」

サイファーで知り合った和合大地くん作・演出の芝居を観てきた。 サイバーパンク歌舞伎と銘打った四谷怪談モチーフの終末SF「ヒカ」。物語は、荒廃した地球で作られたヒューマノイド・ヒカと、彼女が持つ「街を作り出す能力」を利用しようとたくらむ青年・伊…

「踊り子さんたちは女の子が来ると喜ぶから」と言うけれど/2019年1月結の浜崎るり「るり先生」@渋谷道頓堀劇場

ストリップ界隈では「踊り子さんは女子が来ると喜ぶから」「女の子はひいきしてくれるから」という話がまことしやかにささやかれている。 こういうのは人懐っこいおじさん方の「もっと前に座りなよ!」とか、「せっかくだからポラおごるよ!」という言葉の前…

年末は超世紀末×SHIN-JUKEと東洋ショーに行って、2018年の自分をふりかえった

(これはイベントレポではなくて日記です) 2018年末の締めとして、大阪で開催された超世紀末×JUKEに行ってきた。ついでに、西日本に残された数少ないストリップ劇場・東洋ショーにも。 一泊二日という短い遠征だったけど、何となく2018年のまとめらしいこと…

ストリップを見たりライブに行ったりラテンダンスを学んだり

1月11日 横浜駅まだしてる工事〜♪ by PRINCE OF YOKOHAMA 2222 横浜駅工事期間中の壁が「横浜の後世に残したいヒト・コト・モノ」コレクションというテーマでペインティングされている。 公募制とのことで、登場するひとものことがカオス。 あれがあるのにこ…

2018年9月中の水鳥藍「ボレロ」@渋谷道頓堀劇場

昭和のラブホのような内装の道頓堀劇場に「次の演目はタンバリンや手拍子を控えてご覧ください」というアナウンスが流れた瞬間の違和感をよく覚えている。 幕が開いて姿を現したのは、黒い目隠しをつけ、黒鳥を思わせる黒ワンピースで現れた水鳥藍。そして、…

「ストリップの過去と未来」を考えるにあたって参考にした文献リスト

キャバレー&ストリップ同人の書き手として名高いうさぎいぬさんに「ブックリスト公開します」と約束していたので参考文献の一部を紹介します。 小沢昭一の著書に代表されるような、古いストリップに関しての本や、フェミニズム関連の本もいろいろ読みました…

ここで買えますストリップ同人誌

どうもです。 今messyでストリップに関する連載をやっています。(追記:全4回完結しました) mess-y.com mess-y.com mess-y.com mess-y.com 第3回にご登場いただいたストリップ同人誌について、「どこで買えるのか」という質問をいただいたので、まとめてご…

ミュージカル「FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇」

原作コミックの時から文化系ファザコンの私には刺さる内容だったのだけど、ミュージカルはそれをさらに加速させる演出だった。 www.tohostage.com www.youtube.com 「ファン・ホーム」は、ホモセクシャルの父親・ブルースとレズビアンの娘・アリソンの物語だ…

「劇場をストリートにする」という謎企画「ワーグナー・プロジェクト」でのサイプレス上野とロベルト吉野のライブがしみじみよかったです

ワーグナー・プロジェクトでのサイプレス上野とロベルト吉野のライブ、配信で観てました。ペリスコープだけど面白かった。 ワーグナー・プロジェクトは「劇場をストリートにする」というキャッチコピーで始まったKAAT(神奈川芸術劇場)のプロジェクトで、オ…