ホンのつまみぐい

各エントリに貼ってある写真は本文と関係ないこともあります。

いなくなった子どもたちと残った音楽

お盆期間のすっかり人のいなくなった通勤電車の中で、うとうとしながら聴くBELLRING少女ハートの「UNDO THE UNION」がとてもよい。歌詞が脳に染み込む感覚がある。 男の子、女の子 機関車の慌ただしさ Ah あの冬は君の背に 目眩で恋した あのタンジェリン か…

「セッちゃん」(大島智子)読んで泣いてるおっさんキモい

誰とでも寝るからあだ名は「セッちゃん」。そして、セッちゃんとセックスする何事にも無関心なあっくん。停滞感の漂う震災後の日本を背景に、ふたりの若者の日常が描かれる。大島智子の描く震災後の日本では、SEALDをモデルとしたであろうSHIFTという学生に…

“着る”アフリカ展@神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)

だいぶ前の展示なのだけど、写真集を読んで記憶があざやかによみがえったので、備忘録として。 サプールはフランス語で「お洒落で優雅な紳士協会」を表す言葉の頭文字を取ったコンゴの人々の呼称。彼らは世界最貧国と言われるコンゴ共和国で、自らの年収の4…

ヤクザ・警察・反グレ・ドラッグ……kindle unlimitedで読む裏社会の本

※最初頭にちょっとカッコいいこと書いてたんですが、なんとなく全部消しました。読むたびちょっとずつ増やします。 ■ 警察 ・ニッポン非合法地帯、ニッポン犯罪狂時代 ニッポン非合法地帯 (扶桑社文庫) 作者: 北芝健 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2012/0…

カルチュラル・タイフーン2019・1日目→岡田育『40歳までにコレをやめる』 トークイベント→カルチュラル・タイフーン2019・2日目

cultural-typhoon.com このエントリは個人的な備忘録なので、ありとあらゆる点で丁寧ではないです。 カルチュラル・タイフーン2019・1日目。 ■セックス・ワークをめぐる女性表象高原幸子、竹田恵子、小川裕子 ・主体的にセックス・ワークを選ぶ女性もいる。…

文喫行きました

そういや先週、ストリップで知り合ったKさんと、うわさの入場料のある本屋こと「文喫」行きました。それぞれの仕事的に何かプラスになるかなーと思って、文喫の中の人ことAさんとアポ取ってたのですが、Kさんと私がAさんにストリップの話をしまくって終わり…

本をほめられるのはうれしい

地元にちょっと変な人が集まりがちな喫茶店があって、そこでだいぶ知り合いを増やしたのですが、数年前に閉店してしまいました。 店長が入れるコーヒーが美味しくて評判で、彼は今、月イチで地元のライブバーで一日店長をやっています。 この間久々に元店長…

「ストリップの過去と未来」を考えるにあたって参考にした文献リスト

キャバレー&ストリップ同人の書き手として名高いうさぎいぬさんに「ブックリスト公開します」と約束していたので参考文献の一部を紹介します。 小沢昭一の著書に代表されるような、古いストリップに関しての本や、フェミニズム関連の本もいろいろ読みました…

ここで買えますストリップ同人誌

どうもです。 今messyでストリップに関する連載をやっています。(追記:全4回完結しました) mess-y.com mess-y.com mess-y.com mess-y.com 第3回にご登場いただいたストリップ同人誌について、「どこで買えるのか」という質問をいただいたので、まとめてご…

トムズボックスの作ってきた本たち展@gallery福果

絵本編集者で、トムズボックスという小さな子どもの本専門店を運営していた土井章史さんが、トムズボックス名義で発行していた本の展示。 土井さんが編集した子どもの本かと思ったけど、土井さんが編集した絵本作家たちの私家版の展示だった。 ちょっとあて…

早朝のNHKで放送されていた「こころの時代~『個』として生きる」を観た

ECDが特集されるというので「こころの時代~『個』として生きる」というドキュメンタリーを観た。 普段は宗教家や哲学者に話をうかがう番組らしい。過去の放送内容を見る限り、亡くなって1年経ってないラッパーを特集するというのは異例のことに思える。 番…

オピニオン・ファクト・表現

開沼博のインタビュー集「社会が漂白され尽くす前に」を読んでいたら、ドキュメンタリー映画「ヤクザと憲法」の、プロデューサー・阿武野勝彦と監督・土方宏史が登場していた。 監督とプロデューサーのどっちの弁か忘れたけど、「オピニオンを伝えることを優…

萩尾望都と青池保子が私たちの代わりに「どうして木原敏江が好きなのか」直接本人に伝えてくれる「総特集木原敏江-エレガンスの女王-」

なんといっても木原敏江×萩尾望都×青池保子鼎談。そして、この写真。 萩尾と青池がタッグを組んで当時の思い出を交えながらどんどん木原敏江の魅力を言語化してくれるのがとても頼もしい。 そして、2016年刊の「少年の名はジルベール」もそうなのだけど、こ…

第2回「月に吠えらんねえ」(清家雪子)読書会の抄録(2018年4月22日)

4月22日に「月に吠えらんねえ」読書会の第2回を行いました。今回は、現在大学院で北原白秋について研究しているささ山もも子さんが参加して下さり、鳥井雪さん、高原英理さん、佐藤弓生さん、嘉納、池田での6名での開催となりました。前回の起こしがかなり大…

渋谷・道玄坂にある森の図書室は、スノッブな本好きの脳内妄想を具現化したしょうもない空間だった

MAZAIRECORDSのMANOYさんがRAP酒場でライブをやるというの渋谷Dimensionへ。ライブ自体は20時半からというので、ごはんを先に済ませようかなと思ってとりあえず会場前まで行くと、同じビルに森の図書室というカフェっぽいものが。 名前はなんとなく聞いたこ…

その地獄は他人事か、地獄に文化は必要か? ラップの似合う街・川崎の今を書くルポルタージュ「ルポ川崎」(磯部涼)

「気付いたら15の時にはヤクザの鞄持ち」 ヒップホップグループ・BADHOPのメンバーの一人・T-PablowがTV番組「フリースタイルダンジョン」内で、この言葉を口にした時に、一部で「あんなのハッタリで、本当はまともな家の子なんだろ」と毒づく人間が現れた。…

「月に吠えらんねえ」(清家雪子)読書会の記録(2017年8月13日)

8月13日に「月に吠えらんねえ」の読書会を行いました。 この企画は、もともと池田の友人の「『月吠え』好きの鳥井さん(俳句好きプログラマー)とかつらさん(15年来の清家雪子ファン)を会わせてみたら面白いのではないか」という動機から始まったものです…

社会福祉機関としての図書館を書く「青い図書カード」(ジェリースピネッリ)

図書館を舞台とした少年少女のオムニバスストーリー。 スピネッリの「少年少女が何かと出会って心を解放していく」表現がとても好きなのですが、「青い図書カード」はそれがすべて本であり、図書館であるという意味で、本好きが読んだらニコニコしてしまう内…

BL・レディコミ・TL-女性向けポルノを読み解く丁寧な試み「欲望のコード―マンガにみるセクシュアリティの男女差」(堀あきこ)

最近、「BLって女の子にとって何なんだろう」と思うことが多かったので読んでみました。もちろん、BLの読者は女の子だけではありませんが、ここ最近の私の関心が「女の子にとって」なので、あえてこの文章でも「女の子にとって」を強調します。 本書は、「は…

「夫のちんぽが入らない」こだま

著者の体験をもとにした、不思議な私小説だ。 主人公は封建的な地方から大学進学のために上京し、そこで後の夫と出会う。互いに教職の道を選び、まるで兄妹のようと形容される仲の良いふたりだが、夫の陰茎を挿入すると膣が裂けてしまうため、セックスができ…

神様は大森靖子に憧れた人の数だけいる/ ユリイカ2017年4月号特集「大森靖子」

神様をやるなら断言してしまった方がいい。 みんな自分の生を肯定してほしいし、自分が立っている場所を否定したくない。 だから、「お前はこうだよ」と断言してあげると安心する。「私の言うことを聞いてればOKだよ」と言えばいい。信者を作るにはそれが一…

「インタビュー術!」など、インタビュー原稿作成時に参考にした書籍や記事を紹介します

先日、お邪魔してるサイファー・カレー会から生まれた、ラップユニットもつ酢飯のMC、ワッショイサンバちゃん、ムノウちゃんと、ビートメーカーのどくまんじゅくんにインタビューしました。 いつかは弱い女の子達の支えになりたい-「もつ酢飯」のトリックス…

名付けようのない時間を定着させる「家族最後の日の写真」植本一子写真展@Nidi gallery

展覧会タイトルの元になっている書籍はまだ読んでいない。 石田家の日常と、病院での日々と、植本さんの日々。 食道がんで入退院を繰り返しているという今のECDは、私の父がガンで亡くなった年齢と近い。 泣くかと思ったけど、一枚で情動の引き鉄を引くよう…

ハスリングなんかしなくてもヒップホップできるから!「ジャポニカヒップヒップ練習帳」サイプレス上野 from Dreamraps 刊行記念トークイベント

1stアルバムが「ドリーム」。リード曲が「Bay Dream ~フロム課外授業~」。主催レーベルが「ドリーム開発」。 サイプレス上野はよく自分自身のプロダクトに「ドリーム」と名づけますが、これは一般名詞の「夢」だけでなく、固有の場所を示します。それは、…

2014年の地下アイドル現場の記録「ゼロからでも始められるアイドル運営」「サイプレス上野とロベルト吉野のアイドル ライヴオン ダイレクト」

ゼロからでも始められるアイドル運営 楽曲制作からライブ物販まで素人でもできる! (コア新書) 作者: 大坪ケムタ,田家大知 出版社/メーカー: コアマガジン 発売日: 2014/06/03 メディア: 新書 この商品を含むブログ (5件) を見る ゆるめるモ!運営の田家大知…

ストイックで思索的な往復書簡「誰にもわからない短歌入門」鈴木ちはね/三上春海

こういったストイックで思索的な試みこそが、美しいと呼ばれるべきなのだろう。 鈴木ちはねと三上春海がひとつの短歌について、往復書簡の形式を取りながら丁寧に言葉を積み上げていく様を、私の貧しい語彙で表現するのは無粋なので、いくつか引用を。 あと…

磯部涼が真摯でR-指定は紳士「サイゾー2016年6月号ニッポンのラップ」

聞きづらいことも含めて、わりと満遍なく文章化されていて初心者にはありがたい内容でした。 個人的面白かった記事ベスト3。 www.premiumcyzo.com 第1特集、さすがに読み応えあり。 日本語ラップをジャンルとしてみた時に最初に不思議に思ったのがいとうせい…

受難者としての女子プロレスラーとその輝き「リング・リング・リング」つかこうへい

読み終えた瞬間は、女子プロレスを描くためにこんなに長与千種を不幸な人にしなくていいと思った。つかこうへいが虐げられた人々の輝きをそういう手法で書く人だとは知っていても。 まず、最初の夫が半身不随になる。その隙を狙って自分を襲ってきた義父を…

「猫の帰還」ロバート・ウェストール

第二次大戦下のイギリスを出発地とする、黒い雌猫ロード・ゴートによるロード・ムービー調小説。 ロード・ゴートはあらゆる地域、あらゆる環境をさまよい歩き、その場その場の人々に愛される。 戦争という生物的な極限状態におかれた人間たちを、ただただ主…

「鈴狐騒動変化城(すずぎつねそうどうへんげのしろ)」田中哲弥

児童書読書会用に読んだやつ。これすごい。面白いしかない。 田中哲弥といえば電撃文庫の産んだ超絶技巧作家。とにかくめっちゃ文章がうまくて、笑える話を書く人だけど、読者にサービスしようという奉仕の心はない。そして、時々たいそう邪悪なものを書く。…