ホンのつまみぐい

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三橋順子による特別講座「歴史から買売春を考える」を横浜パラダイス会館で聞いた

ゴールデン街が青線だったことを先週初めて知った。 知ってしまえば、あのマッチ箱を縦にしたような、異様に狭いのに高さのある建物は風俗業以外には使いづらい。災害にも弱いだろう。 飲食という名目で1階で客を取り、自由恋愛のていで2階で性行為をすると…

女の子たちと公的機関

女の子たちと公的機関: ロシアのフェミニストが目覚めるとき 作者:ダリア・セレンコ エトセトラブックス Amazon 理不尽な指令や無意味な報告をさせられ、澱んだ日々を送るロシアの文化施設で働く女性たちの日々を、抽象的に綴った説明の難しい1冊。 不思議な…

我が友、スミス

我が友、スミス (集英社文芸単行本) 作者:石田夏穂 集英社 Amazon 化粧や恋愛を選択せずに、プレーンで質素な生活を営むU野。日々黙々と筋トレに励んでいた彼女は、ある日ボディビルの大会にスカウトされる。大会出場を目標に、さらにトレーニングに励むU野…

正・続 まんが パレスチナ問題

ロシアがウクライナを侵略した時ほど、イスラエルとパレスチナの戦争(今ではイスラエルによる虐殺がより正確な表現だろう)にショックを受けることができなかった。 それは自分の無知に由来するものだろうと思い、とにかくわかりやすいものをと買ってみた一冊…

イルミナ4号出てます

去年の11月にイルミナの4号出てます。 私が私事で気もそぞろでまったく集中できていなかったのですが、うさぎさんとなかもとさんがしっかり作業してくれて88pの本になりました。申し訳ない……。 文学フリマとコミックマーケットに出ましたが、熱気にあふれて…

よく見えることのよくない作用

『エルピス』を見始めたが、1話の長澤まさみの顔が美しすぎて、終始「美しい…」とつぶやいてしまった。 女性の顔の良さにこんなにいちいち感動するのは生まれて初めてだ。 この反応、長澤まさみの顔のよさは前提として、最近毎日ダイエットのために自撮りを…

堀内誠一 絵の世界(神奈川近代文学館)

終了直前に駆け込みで回った。近代文学館は会場が暗いので、正直絵を見るのにいい会場ではないのだけど、それなりに楽しませてもらった。 蛍光色の使い方が印象的。『たろうのおでかけ』『ロボット・カミイ』など、幼年向け作品でのピンクの存在感はちょっと…

カルチュラル・タイフーン2022

カルチュラル・タイフーン2022へ。 成城駅は駅前にゴディバや日能研がある金持ちの街だった。舗道もきれい。住むのにいくらかかるんだろうか……。 基調講演の「集団的創造力がもたらすもの:版画運動からみるもうひとつの政治」を聞いていたら、この間行った…

文フリ、コミケ、おもしろ同人誌バザール

イルミナでのサークル参加の記録。 文学フリマは久々規制の緩くなった中での開催ということで大変混んでいましたた。ストリップ界隈は黒井ひとみさん、六花ましろさんという人気踊り子2名が出店していることもあり、息つく暇もなく接客していた感じ。たまに…

イレギュラーリズムアサイラムに行って見た

模索舎へのイルミナ納品のついでにイレギュラーリズムアサイラムへ行ってみた。 2004年オープンしたインフォショップです。アナキズムとDIYをメインテーマに、社会運動や対抗文化に関する書籍やZINEやグッズ、またそれらに直接携わる人々が国内だけではなく…

佐々木チワワと谷頭和希の ビブ横界隈最前線 vol.3【ゲスト】 中村香住@ネイキッドロフト

中村さんが新しく編著書『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』を出されるので、ごあいさつも兼ねてと思い訪ねたのですが、現場の客が自分一人で、ネイキッドロフトの苦境に思いをはせることになりました。 前の武田砂鉄×T.V.O.D(パンス&コメカ)のトー…

教育と愛国@横浜シネマリン

多少は教育行政に関心を持っていたつもりだけど、それでも知らないことだらけで、冷たい汗が出ました。 学校での採択率トップだった日本書籍が、日本の戦争加害に関する記述を増やしたことで採択率が大幅ダウンし、倒産に追い込まれたという話が最初のショッ…

ストリップと社会と私を考えるZINEイルミナ3号できました

できました。 めちゃくちゃかわいい表紙は幸宮チノさん。 今回個人では「ポラの歴史」と、演目をベースに栗鳥巣さんの魅力を語るエッセイを作成しました。 既刊に比べるといい意味ですっきりした出来になっているのではと思います。 気力が湧いたら詳細追加…

映画『水俣曼荼羅』の原一男監督にインタビューしました

ドキュメンタリー映画『水俣曼荼羅』について、監督の原一男さんにインタビューしました。 www.cyzo.com 作品の概要についてはすでに多くの人が言葉にしているため、今回は過去作との比較や、私なりに読み取った作品の主題に対しての問いを中心にインタビュ…

おおきなポケットという雑誌

30年前に発刊された『おおきなポケット』という不思議な月刊誌のことが忘れられません。 当時、母が『たくさんのふしぎ』や『コペル21』などと一緒に購読してくれました。 読み物・マンガ・小説が毎号掲載されており、今思うと「子ども向け総合誌」を目指し…

出久根育のマグカップと小皿を買った

マグカップほしいなあという気持ちがふくらんでこんな形に。これはかわいらしい。 出久根育さんは梨木香歩さんの物語に絵をつけた『ペンキや』がとても好きで、友人の結婚式のプレゼントに送ったりしていたのですが、そんなに万人受けする絵じゃないし、今思…

『いつか中華屋でチャーハンを』の書評を寄稿しました

RealSoundBookに寄稿しました。 t.co しかし、この本って ゴリラじゃん。 『まんが道』じゃん。 『美味しんぼ』じゃん。 とか、ギャグセンスもいろいろすごいのに、それを文中でうまく紹介できなかったのは心残り。あと、タイトルは編集の方がつけたのですが…

大掃除していたら

大掃除していたら昔フリーペーパー作ろうとして描いた松谷みよ子さんの地域文庫「松谷みよ子の本屋さん」のレポマンガが出てきました。 建物の外観が描かれていないところに興味の在りどころが現れている。 管理者がいなくなり、取り壊されてしまったそうで…

11月に読んだ本・マンガなど

さんかく窓の外側は夜 1 (クロフネコミックス) 作者:ヤマシタトモコ リブレ Amazon さんかく窓の外側は夜 10 (クロフネコミックス) 作者:ヤマシタトモコ リブレ Amazon すごく好き。ヤマシタトモコ作品は、傷ついた子どもや間違えた子どもの罪に大人が対峙す…

最近料理Youtubeチャンネルを見ています

突如Youtubeでレシピを観るのにハマり、少しずつ観るものを増やしています。 白央篤司さんの『自炊力』に「好きな料理研究家を作って動画を見たりするのもいい」とあったので、その影響かもしれない。 影響を受けたものや楽しく見ているものを紹介します。 w…

作劇レベルの違和感がそこかしこにあって鼻白む映画「MINAMATA-ミナマタ-」@ムービル

事前に以下の長大なスレッドに簡単に目を通していたこともあり、色眼鏡つきで観たことは否定できないが、それにしても変な映画だった。 https://twitter.com/HWAshitani/status/1442597548464566272?s=20https://twitter.com/HWAshitani/status/144259754846…

10月に読んだ本・マンガなど

彼らの犯罪 (岩波現代文庫 文芸 341) 作者:樹村 みのり 岩波書店 Amazon 不可視化されている怒りや悲しみを繊細な描写を積み上げて読者に突きつけるところが樹村みのりの魅力だと思うので、期待していた新作は明解すぎて少し物足りなかった。 『ふぇみん』や…

ストリップと社会と私を考えるZINEイルミナ2号できました

イルミナ2号できました。 大ボリューム120p。カラーページ4p! 物理的にもすごいことになっていますが、内容もぎっしりしているな~と思います。簡単に紹介します。 特集は広島第一劇場閉館に寄せて。 小骨トモさんによる壁新聞形式のイラスト、たなかときみ…

9月に読んだ本・マンガなど

【推しの子】 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:赤坂アカ,横槍メンゴ 集英社 Amazon おもしれ~~。絵が可愛い。ギャグが面白い。毎回ラストに引きがある。登場人物の気持ちに一喜一憂させられる。 最初「人気アイドルを殺害した犯人は誰?」という…

8月に読んだ本・マンガなど

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:野田サトル 集英社 Amazon 無料公開していたので全部読んだ。面白かった! 紙で買い直そうと思う。別冊文藝やユリイカで特集してほしい。政治学、文化人類学、地理学、歴史学、動物学などなど、…

表に出ているとつい見てしまうので

ちょっと前の話で、今どうなっているのかはわからないけど、以前は名香智子のツイートから、うっすらと嫌中韓かつ自民党よりなのが感じ取れた。 強く主張しているというより、ぼんやりした嫌悪感や与党支持が匂う程度だったので、こちらも追及しづらかったの…

みなもと先生

最近の訃報ではもっともショッキングだったみなもと太郎さんの訃報。 言葉を重ねる気持ちにもなれないのですが、『風雲児たち』を完結出来なかったこと、ご本人が一番無念でしょう。二度と続きが読めないことが悲しいです。 作品はもちろんとびきり面白いの…

複雑な気分になる慣れ親しんだ古い下町の話『横浜野毛 闇市から大道芸のまちへ』

野毛で『横浜野毛 闇市から大道芸のまちへ』を読んでいた。タイトル通り、戦後の野毛がどのようにして今のような街になったのかをつづる本だ。 最近Youtube「有隣堂しか知らない世界」をはじめて、にわかにネット人気が出はじめている有隣堂伊勢佐木町本店で…

7月に読んだ本・マンガなど

「盛り」の誕生 女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識 作者:久保 友香 太田出版 Amazon SNSでの顔の加工に代表される「盛り」がどうして生まれたを学術的に追究している。「盛り」という言葉自体はインターネット以降のものだが、著者は、1995年頃には…

8月6日なので

オリンピックの影響か、今年はテレビが原爆関連の特集を全然組んでないそうです。ヒェーと思ったので、せめて私は何日かかけて原爆に関する本を読もうと思います。(正確には、ないわけではないけど押しやられているそうです) この間亡くなられた那須正幹さん…