ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

映画

こうの史代「この世界の片隅に」原画展』@タワーレコード渋谷店

タワーレコードでtofubeatsのリリースイベントを見たついでに立ち寄っただけで、正直全く「見ることによる感動」は期待していなかったのだけど、思いの外心を打たれてしまった。 そして、こうの史代はマンガがうまいことに今さらしみじみ気がついた。「夕凪…

こうの史代×おざわゆき「はだしのゲン」をたのしむ@明治大学 2016/4/16 「この世界の片隅に」「あとかたの街」「凍りの掌 シベリア抑留記」にもふれて

このトークイベントは米沢記念図書館で行われたマンガと戦争展+α内の企画として開催されたものです。「はだしのゲン」というテーマを掲げていますが、まさに「マンガ表現と戦争」と作家がいかに向き合うかが語られる内容になっていました。逆に、「はだしの…

映画「赤ひげ」悲惨は普遍だけど、ヒーローも普遍だ!@鎌倉市川喜多映画記念館

何このハートネットTV8回分。いや、クローズアップ現代5回分でもいいか。赤ひげすごかった……。普遍と驚愕を秘めた映画で、まさに芸術だった。 江戸時代の養生所を舞台にした映画「赤ひげ」。 赤ひげと呼ばれる変わり者の偉人から頭でっかちの若者・保本が「…

映画「この世界の片隅に」追記:狂気の沙汰を覗き見たい人へ

映画『この世界の片隅に』予告編 映画「この世界の片隅に」を観て、最初に頭に浮かんだのは原民喜の「夏の花」でした。 「夏の花」は原の被爆体験をもとに書かれた短編小説で、原爆投下直後の広島を歩き回る主人公の目を通し、当時の惨事が生々しく描かれて…

あなたは美しいタテマエを楽しめる?「ズートピア」

草食獣と肉食獣が共存するために高度に設計された世界で、それでも起こるすれ違いを乗り越えようとする動物たちを描いたズートピアは、あらかじめ人々の心の灯台になることを目指したような映画だった。 アメリカの正義が、子供向け映画の中に詰め込まれた政…

サバイバーに対する敬意がにじみ出る映画「ルーム ROOM」

www.youtube.com おとぎ話のエッセンスを加えれば、耳を塞ぎたくなるような酷い話も芯を守りながら多くの人に届けられる。とても巧みな作品でした。 この映画は、長髪の小さな男の子が、青く塗られた部屋の中で小さな天窓を見ているところから始まります。 …

「ヤクザ辞めて喰っていけるの?」暴力団の背中にうつる社会という地獄「ヤクザと憲法」

観終わった後に、涙目の友人が「みんなひとりぼっちだった……。すごい孤独だった……」とうめいていた。 私は涙は流さなかったけど、泣いた友人の気持ちはわかった。これは心がぐちゃぐちゃに散らかる。 「ヤクザの日常を撮影する」という挑戦的な映画「ヤクザ…

ndjc2014上映会

友人に誘われて角川シネマ新宿の「ndjc2014上映会」へ。 存じなかったけれど、ndjcというのは、2006年から始まった若手映画発掘プロジェクトとのこと。 新人監督による5本の短編映画の作成と、上映を終点にしたこのプロジェクトでは、監督は各団体からの推薦…

BiSキャノンボール2014、まだ見てません

応援していたアイドルの解散ライブ前後を追ったドキュメンタリー映画って本来はウキウキで観にいくものなのだろう。 でも、BiSキャノンボールはそういう映画じゃなくて、きっとBiSが「あの程度で終わってしまった」理由を感じさせる映画なんだろうなって思っ…

フィールド・オブ・ドリームス

アイオワでとうもろこし畑を耕し、妻子を養うレイは、平凡な中年男性。 ある日、彼は畑の中で「それを作れば彼がやってくる」という声を聞き、畑の一区画を整理して野球場を作り始める。すると、完成した野球場には、かつて八百長疑惑で球界を追放されたシュ…

「アイドル・イズ・デッド2」コール&レスポンス回

映画としての「アイドル・イズ・デッド2」については書いたので、1月31日のコール&レスポンス回について。 これは、映画の上映中に、「ライブのノリを持ち込めないか」という提案を受けて映画館の了承を得た上で開催されたものだ。 要は上映中の「コール」…

アイドル・イズ・デッド2

シバタさんのブログを読んで、たとえライブに当たり外れがあってもなるべく現場には足を運ぼうと思った。(予算の範囲で)いつか本当にBiSを応援するのがしんどくなって離れていく日が来るのかもしれないけど、とりあえずはまだ気持ちに余裕がある。なんとな…

寅さんを見た

年末に寅さんを20分ほど見た。 事前の知識通り寅さんはきれいな女性に振られて家を出て行った。別れ際に、妹に自分を振った女性のことを「あの人は芸術家(画家)だから、生活が苦しいこともある。きちんとごはんを食べていないようだったら、何か暖かい物で…

「ラブホテル」「おんなの細道 濡れた海峡」

ジャック&ベティに日活ロマンポルノを観に行った。 お目当ては相米慎二の「ラブホテル」。 相米さんの映画はあまり観ていないのだけど、理屈をこつこつ書いていくことで11歳の女の子のぴりぴりした感情を描いていた原作小説に対して、映画でしか出来ない大…

映画「愛と誠」

梶原一騎の作品はだいたい主人公が呪いにかかる。矢吹丈は戦いという呪いに、星飛雄馬は父という呪いに取り憑かれてしまったので、どちらの物語も後半は主人公が呪いといかに向き合うかが描かれている。わりと健全な精神の持ち主の伊達直人も、「より多くの…