ホンのつまみぐい

誤字脱字・事実誤認など遠慮なくご指摘ください。

中華街の龍鳳酒家でパイコー飯と海老餃子

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 ジムのあとでお腹が空いていたのもあると思いますが、米がめっちゃ美味しかった。米の種類が違うのか、炊き方がよいのか……。粒が立ってましたわ。

 ここのパイコー飯は骨付き豚の唐揚げにカレー粉をまぶす定番タイプではなく、豆豉と一緒に骨付き豚を煮込んだもの。時々舌を指す豆豉の塩味が気持ちよく、しかも肉が一口大に切ってあって食べやすい!野菜も美味しいしこりゃいいですわ。海老餃子もちょっとホタテが入ってて豪華この上なし。

 ワタリガニのあんかけチャーハンにも惹かれたのですが、次の機会を待つことにします。人を募って夜用大皿料理にもチャレンジしたいところ。

ピークを抜けたタイミングで入店したら、働き者オーラバリバリのおばちゃんが一人でめっちゃ忙しそうで、こういうお店続いてほしいなあとしみじみ。

夢日記20200910

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いなくなった犬が帰ってきた!

と思ったら気のせいだった!!

ああ、どこかで元気にしているといいなあと思う夢を見たが、うちの犬は何度か逃げ出したけどご近所の協力で戻ってきたし、病気で長生きしなかったけど、家族に看取られて死んだのだった。

ニセ記憶なのに、夢の中では胸が潰れそうなくらい悲しかった。

日曜の夜に観るのにぴったりだった「ドロステのはてで僕ら」

 f:id:hontuma4262:20200905214739j:image日曜日の午後に副業の仕事のめどをつけて、ジムで少しだけ筋トレをして、もうちょっと日曜日の気分でいたくて観に行った映画。

 重たい気分になるものが観たくなくて、「ヨーロッパ企画が製作」「撮り方が少し特殊」という情報だけで選んだのですが、大正解でした。

 ほぼ何も知らない状態で観たほうが面白い映画だと思うので、くわしくは説明しません。しかし、夕刻仕事を終えて、もう少しだけ自分にごほうびをあげたいと思ったあの瞬間にぴったりの選択でした。

 

 以下は予告編にある程度のネタバレ。

 ーカフェ店長が仕事を終えて店の上にある自分の部屋に帰ったら、部屋のテレビが「2分だけ」未来を移す不思議なテレビになっていた!ー

www.youtube.com

 地味な始まりと素朴なたたずまいの役者さんたちをぼんやり眺めているうちに、あっという間に話があちこちに展開していきます。

 「2分後が映るテレビの画面」が主軸となるため、映画は2分刻みで細かく物語を繰り出していく必要があります。役者のセリフ、演技、カメラワークもすべて2分かその倍数で計算しつくされていて、リズミカルに話が進み、あっという間に事件にぶち当たります。

 1時間10分という劇場公開映画としては少し短めの作品ですが、冗長さなく、観終わったあとにすっきりした気持ちで帰れるこの長さがとてもよかった。いくら楽しみとはいえ、翌日の仕事を考えると早く帰りたい気持ちもあったので。作中の大げさに感じない程度の「未来をよいほうに変えたい」という気概も気持ちよく、最後は素朴なたたずまいと感じた役者さんたちに親しみを感じていました。

 2分刻みで会話と動作を重ね続けるリズミカルな物語を、映画として成立させるには、未曾有のチームワークが必要なはず。この映画が完成したのは、同じ劇団に所属する人たちが作り上げたものであることとは無縁ではないはずです。

 観ている間はあっという間なのですが、観終えたあと、奇矯なエンターテイメントを成立させるために、ひとつの集団が力を尽くしていることを思ってちょっとじ~んとしてしまいました。

www.europe-kikaku.com

8月に読んだ本・マンガ

comic-days.com ネットでめちゃくちゃバズった作品。完全に共感ベースで読んでいたので、世間の人が「イヤな女」だというのがよくわからなかった。おろかではあるけど、この程度のおろかさってみんな持ってない? いや、友人に「無神経」って言われた私だから「イヤな女」だってことに気が付いてないだけなのか。

 でも、「自分の人生の主人公になりたい」って願いが笑われてるのを見ると悲しくなっちゃうよ。

 あと、もう一つツイッターでは同人女シリーズってのも流行ってたけど、こっちも自意識を刺激するマンガで、それに触発されて皆が自分の自意識や生き方を語り出す様を見ているのがなんだかしんどかった……。「自分語りに利用しやすいものばかりがバズる」のを見てると切なくなる。

nlab.itmedia.co.jp

www.moae.jp こっちはいやな女って言われてもしゃあないなという気持ち。ただ、「裏表がなくてありがたい」とも思う。

 そして、このレビューがよかった。

note.com

螺旋じかけの海(3)

螺旋じかけの海(3)

 

  ハードな設定と倫理観の高さがマジ泣ける。現役のお医者さまとのことなので、制作ペースには限界があると思うけど、これからも活躍していただきたい。ただ、3巻は編集の手が入ってないせいかちょっとわかりにくいところがあった。

note.com 啓蒙用マンガらしい。「ボスの論文捏造で講座が崩壊」「金なし理系同期のシェアハウス」「研究されてデータがあることと効果があるかは別」とか、作者の実感を感じさせておもしろい。主人公・鏡見の開き直った表情も好き。

 

www.moae.jp

ユートピアズ

ユートピアズ

 
一匹と九十九匹と1

一匹と九十九匹と1

 
かいぞくたちのいるところ

かいぞくたちのいるところ

 

   ちょっと話題になってたので読んでみた「ダーウィン事変」。人間とチンパンジーの混血の青年が主人公。蝶をクモの巣から逃がした主人公が「クモの食餌を邪魔しちゃった」って言うセンスがあざとくて脱力。そんな程度の表現で多義的視点を表そうとするな。ネット民かよ。評判悪くないのでこれまではどんな作品を描いてたんだろうと思って読んでみたら、ほかの作品も大体そんな感じでがっくり。つまらないものをおもしろいと言わないでほしい。

 

パラノイア・ズライカ

パラノイア・ズライカ

 

  親に愛されなかった不幸な少女が、妄想癖によって周囲を不幸にする「パラノイア」。娼窟を営む老女の孫娘が、戦場で死んだ男を待ち続ける「ズライカ」。池田理代子の作品はつくづく人物造形が類型的。かわいそうな立場の人をかわいそうと描いてしまえるところに傲慢さを感じる。しかし、欲望に向かって突き進む人間の強さを肯定するところに作者の個性がある。「パラノイア」も「ズライカ」もいい悪い・幸不幸をとりあえずおいて、主人公の女性が極めてアグレッシブで、それゆえに独特の読後感がある。スキマに書いてある評がとても的確。

http:// https://www.sukima.me/book/title/gomabooks0000645/

少女の心のまま大人になってしまった二人の女性のお話。 どちらも周囲に迷惑をかけるほどの妄執ぶりだが、読んでいて不快感がないのは綺麗な絵と主人公たちの悲痛なほどの純粋さが伝わるからだろう。 二人の主人公を見ているとこういう女にはなりたくないという憐れみの気持ちと、生きていく上で自分が捨ててしまったものを持ち続けている女への嫉妬に似た気持ちの二つが味わえる。

 

祖国に愛を!

祖国に愛を!

 

 著者の原点といわれるフランス革命もの。ラブロマンスの皮を被って登場したのに、恋は成就せずに皆が革命に奉仕して終わるのがすごい。

 

不浄を拭うひと (1) (本当にあった笑える話)
 

  特殊清掃(孤独死現場の清掃など)の話。登場するエピソードはどれも強烈だけど、デリケートなテーマを優しい目線と抜けのある絵柄で読ませる作者の力量で淡々と読める。死を身近なものとして受け止めなおすきっかけになる内容でもある。

 

マジックラブ・チャイルド

マジックラブ・チャイルド

 

  海外が舞台の人情もの。エッセイコミック「松苗あけみまんが道」での自虐に反し、けっこういい作品だと思った。でも、こういう話を量産できなかったからこそ、もっと下世話で地に足の着いた「純情クレイジーフルーツ」路線にたどり着けたのかと思うと、本当によかった!

 

僕は天使に嘘をつかない

僕は天使に嘘をつかない

 

  タイトルは上品だけど、内容はドタバタしていた。

食と薔薇の日々 (白泉社文庫 ま 3-2)

食と薔薇の日々 (白泉社文庫 ま 3-2)

 

  松苗ファンは「あっさりしすぎ」と感じる向きもあるようだけど、個人的にはこの軽さがよかった。ごはんおいしそう。

ロマンスの王国 1巻

ロマンスの王国 1巻

 
ロマンスの王国 2巻

ロマンスの王国 2巻

 
ロマンスの王国 3巻

ロマンスの王国 3巻

 
ロマンスの王国 4巻

ロマンスの王国 4巻

 
ロマンスの王国 5巻

ロマンスの王国 5巻

 
ロマンスの王国 6巻

ロマンスの王国 6巻

 

  装丁や作画の美しさに反して下世話100%で笑ったけど、読んでいる間中ずっと楽しかった。ただ、奔放な”中学生”はちょっとやりすぎかな。

 

カトレアな女達

カトレアな女達

 

  乙女として好き勝手に生きるシワだらけのおばあちゃん姉妹の話。傑作。

 

ダブル (2) (ヒーローズコミックス)

ダブル (2) (ヒーローズコミックス)

  • 作者:野田彩子
  • 発売日: 2020/03/14
  • メディア: コミック
 

  大大大傑作。最高な時の吉田秋生かよ。ネットで無料で読んでいたけど紙で買った。主人公がディスレクシアっぽくて「ファンタジウム」を思い出したり。

 

  お久しぶりの安野モヨコ。率直な感想は「世の中にはこういう恋愛の世界もあるのか~~」という、初めて読んだ高校生のころから変わらないやつ。歴史的な作家だし、私も結構読んでたので語ろうと思えばいくらでも語れるが、それはもっと時間をかけてやりたい。既刊も読んだ。(岡崎京子に顕著な「CUTIEやFEELYOUNG系の単行本、復刊で装丁がめっちゃダサくなる」現象がここにも)

 

アマゾネス・キス (1) (トーチコミックス)
 
アマゾネス・キス 2 (torch comics)

アマゾネス・キス 2 (torch comics)

 
アマゾネス・キス 3(完) (torch comics)

アマゾネス・キス 3(完) (torch comics)

 

  めっちゃおもしろい。この面白さをろくに説明できなくて悔しい。人の心の弱さが生み出すうねりが目に見えるような作品。これも紙で買い直したい。

 

  「ノスタル爺」は傑作ということを改めて確認した。大人になってから読むと「やすらぎの館」が何のひねりもない風俗のメタファーであることがわかる。ドラえもんにある、「パパがおばあちゃんに会う話」の延長で読んでいた。地球の持続可能性をテーマにしたものがこんなに多かったのかと改めて思った。

 

  なんとなく「もうすぐ終わりかな」と思った。

 

新版 死を想う (平凡社新書0884)
 

  伊藤比呂美石牟礼道子に「死」について話を聞きに行く。対談でも問答でもない会話がとてもよかった。電子書籍で買ったけど紙で買いなおして寝る前に何度も読み返したい。そういう本。

 

地下アイドルの法律相談

地下アイドルの法律相談

 

  一問一答形式。姫乃たまと深井剛志が紹介されている事例について語りながら、対処方法を説明。実用的なんだけど、もっと「労働者とは何か」「労働とは何か」「法とは何か」について考える記述があってもよかったと思う。

 

おとめ六法【電子特典付き】

おとめ六法【電子特典付き】

 

  めっちゃふわふわした装丁だけど、トラブルにはどういった法を適用して対処すべきかだけでなく、それは自身の権利を守るためのものだということをしつこく書いていてよい。

 

  建築雑誌だからなのだろうけど、一番いいページが大いに物議をかもした大阪の「こども本の森 中之島」なのはどうなんだ。紹介されている本も古い。児童婚で問題になった野口健をつかうのも、塾考してのこととは思えない。選択に安直さを感じるところがいくつかある。とはいえ、神沢利子への取材やエルマーの冒険の特集はありがたかったが……。

 

  見ているだけで幸せになれるフルカラー303p。出版社の底力を感じる。レシピも詳細で、日本で手に入らない材料については「これを代わりに使って」という細かい指示がある。

 

文藝 2020年秋季号

文藝 2020年秋季号

  • 発売日: 2020/07/07
  • メディア: 雑誌
 

  論考やエッセイを読み終えて小説に突入したのだが、小説も興奮する面白さのものばかりでお買い得な雑誌だとつくづく思った。定期購読していてよかった。(全く読んでない号もあるけど……)

 

危険な毒花 (1957年)

危険な毒花 (1957年)

 

  横浜都市発展記念館での追悼展を見たので。赤線地帯の撮影で名を挙げた女性写真家。完全なる隠し撮りであることも問題だけど、お嬢様育ちの常盤が娼婦をすさまじく見下していて絶句。当時の赤線には、連れ合いを見つけたもののうまくいかず、戻ってきてしまう女性が少なくなかったらしいがそれを「知能が低いからまともな社会生活が送れずに戻ってきてしまうのでは」なんて書いてしまえる醜悪さは並大抵のものではない。これを批判する人が多数派ではなかったということに、世間の性風俗への見下しを色濃く感じる。

 一方で、「働く女性」という題の個展に際し、自主的に「赤線地帯の女」「ヌードモデル」を入れた常盤に、内面の葛藤を感じなくもない。いや、ただ話題になりたいだけの計算の上の行動なのかもしれないが。なにせ常盤は娼婦だけでなくプロレスラーのこともチンドン屋のことも見下しているようなので……。

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lyrical schoolのワンマンライブ“真夏の絶好球”@上野恩賜公園野外ステージ(水上音楽堂)に行ってきました

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 写真は上野恩寵公園の蓮の池です。

 ものすごく久々のライブは上野恩賜公園野外ステージ(水上音楽堂)でのlyrical schoolでした。野外で席間開けての実施。参加者把握のためのファンクラブ会員登録(無料もあり)・検温・チケットは来場者もぎり・手指消毒・マスク徹底・声出しNGといった制限付きで開催。

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 急に仕事を突っ込まれた音楽大好きAさんの代打ですが、久々の「デカい空間で形のないものを浴びてリラックスする by山中澪」最高でしたね……。私の100倍音楽が好きなAさんを思いながら踊りました。

 リリスク、曲は聞き続けていたし、人気出てほしいとは思っていたものの、特段エモい気持ちを抱いていなかったのですが、さすがにLAST DANCEはちょいウルっとしました。いい曲だー。

www.youtube.com

 声出しNGですが、もともとコールがしょっちゅう入るタイプのライブでもないので、「最後の曲です」のガヤとか、発表の時の「おお?」とかがないくらいで違和感はなかった。

 メンバーもあんまりエモいことは言わず、でもそれがありがたかったです。

 「yuuちゃん『気まぐれオレンジロード』に出てきそう(古すぎる…)」とか「risanoちゃんのダンスは心と体が直結していてすてき」とか思いながら楽しみました。

 しかし、だからこそ余計に不思議な感じがしました。なんかパラレルワールドみたいですよね、コロナ禍って。

 アメリカ同時多発テロ事件の時も、東日本大震災の時も、そのほかの大きな災害でも日常がべりっと引きはがされるような悲惨な映像や現場が目に飛び込んできた。でも、コロナ禍ではこんなに社会が深い傷を負っているのに、目に見えてくるのはマスクやアクリル板っていうオプションばっかり。

 すりばち型で、奥に立つとほかのお客さんの姿がよく見える水上音楽堂での風景。お客さんたちの口元にマスクだけをぺぺぺっと貼り付けたような不自然さがあって、間違いなく現実なのに、奇妙な夢を見ているような気分になりました。

 終了後はオタクの人たちと「現場あると約束しなくても会えるからいいですね~」という話をしてから、Mさんとお茶して帰りました。久々にじっくり人間活動をやったぜ!という感じがあってシアワセだった。

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 リリスクチームの皆さま、開催するのも覚悟が必要だったでしょうがお疲れ様。そして、本当にありがとうございました。

 帰宅後、踊りすぎてできた脇腹の筋肉痛も懐かしかったです。

 

関内のギリシア料理店スパルタでアテネコース

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 老舗ギリシャ料理店のコース料理。いちまいも写真撮っていませんが、白い壁に青い柱の内装がとてもかわいらしい。上品なお店です。

 料理は、

 パンうめ~~。

 グリーンサラダ食べても食べても出てくる~~。

 ミートボールのレモンスープすっきりしてておいし~~。

 コースの最後の最後に出てきたのにふんわりした生クリームとなすとミートソースの重ねをおいしく食べられてムカサすごい~~。

 名前わからんけどナッツとシロップだくだくのパイをくどくなく食べさせる手腕こわい~~。太る~~。

 でした。

 ハンバーグとかわりとふわふわさせがちなので、こういうギュッと詰まった肉のうまみを食べさせるミートボールなるほどだし、プロの味だと思いました。

 あと、野菜がたくさん食べられるのいいですね。イタリアンともトルコ料理とも違ったタイプの親しみやすさ。