ホンのつまみぐい

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関内ラーメン横丁唐桃軒で醤油ラーメン+牛バラ

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 関内ラーメン横丁。「ラーメン横丁はどの店も美味しい」と書きましたが、唐桃軒が一番好きかもしれない。なぜなら味が大変シンプルでさっぱりしていて、後味がよいから。

 前回は仕事帰りに醤油ラーメン1杯。汁も残さず食べてしまいましたが、今回連休中の運動不足な体調で食べたらさすがに飲みきれなかった。

 あと、牛バラにさっぱり醤油だと獣の味が強くてあんまり合わないかも。味噌がいいのかな。看板のチャーシューはこの日も美味しかったです。特殊な作り方をしているようにも思えないのだけど、独特の口溶けのよさがあってくせになるんですよね。

山本ルンルン漫画家21周年記念展「LUNLUNHOUR」

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 とってもよかったです。各作品ごとにA3くらいのサイズ書下ろしのイラストがあり、それがすべて素晴らしかった。

 普段のルンルン作品は印刷を前提としているためか、かなりはっきりした色合いでカラーを着色しています。しかし、展示用作品は淡い色やにごりのある色で描かれたものも多く、それが独特の上品さや大人っぽい雰囲気づくりに役立っていました。どれも画として完成度が高く、いくら眺めても時間が足りない感じでしたが、『ミス・ポピーシードのメルヘン横丁』と『オリオン街』の描き下ろしの大人っぽい雰囲気がよかった。黒がべったりした黒ではなく、少し銀の光沢の入るような深みのある黒で、大人っぽいけど柔らかい絵になっていました。でも、明るくやわらかな蛍光ピンクが印象的な、カトゥーンの表紙ようなデザインの『宇宙の白鳥』のイラストも、パワーにあふれていて可愛かったなあ……。

 お客さんの多くは、かつて『マシュマロ通信』のアニメや朝日小学生新聞の連載作品にふれていた子どもたちのようで、感想ノートも独特の熱量を帯びていました。

 同人誌でしか読めない『いとしのフェルナンド』がまたいい話なので、いつか商業単行本として表に出てほしいものです。

 

 

 

 

「人を殺したい」と思ったことがない人ならおもろいんですかね、「JOKER」

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 元旦早々しょうもない映画を観てしまった。

 「JOKER」は端的に言って虐げられ傷ついた人間が加害欲に負けて社会に復讐する話なのだが、あまりに復讐心を軽く扱っていてうんざりした。

 JOKERことアーサーはまず、徹底的に傷つき、虐げられる存在として描かれる。急に笑いだしてしまう持病により他者とうまくコミュニケーションが取れず、貧困の中にありながら、精神疾患を持つ母親を介護している。冒頭でアーサーは閉店セールの看板を掲げながら道端で宣伝をする。彼の仕事はピエロなのだ。しかし、彼はクソガキに看板を盗まれたあげく、ひどいリンチにあう。派遣会社は壊れた看板の代金を請求し、暴行されたアーサーのことを気にかけもしない。アーサーの生は万事この調子だ。

 多くの観客は彼の生に同情するだろう。しかし、同情するというのは相手を下に見るということだ。他者からの同情を身にまとって生きるのは、不運な生をさらにみじめなものにする。

 「JOKER」で描かれる不幸は著しく類型化されている。まるで昔話のような単純さである。もう少しアーサーを映画のための「キャラクター」ではなく、人として描くことはできなかったのか。 これは、あまりにも消費可能な痛みではないか。

 「復讐をしたい」心の奥には「誰かに傷つけられたことによって損なわれたものを回復させたい」という気持ちがある。しかし、この映画は基本的にその怒りや悲しみに対して無頓着だ。「殺したいやつがいる」勢としては、観た人が屈託なく「JOKERは私達の社会が生み出した不幸な存在なのね」とか言ってるのかと思うと、そのことに殺意を覚えざるを得ない。

 ほか、脚本もあまりよいとは思えなかった。最後のアーサーが行うテレビの演説シーンがあんなにわかりやすくてよいのか。そして、そこからのどんでん返しがあの程度でよいのか。黒人女性が常にケア役なのはなんなのだ。

 カタストロフでの画作りも平板で物足りない。「それが彼の妄想の限界だった」という解釈をするのならばありかもしれないが……。でも、妄想と暴力の間を行き来する話なら「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のほうが、少なくとも美に関しては圧倒的に上だしな。ホアキン・フェニックスはセクシーですごかったけど。あれは「JOKER」の中の圧倒的にオリジナルな美だ。

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 まあ、とはいえ私にこの映画を激推しした弟はめちゃくちゃいいやつなので、もうその手のズレは仕方がないのだろう。しかし、作る側の底の浅さは許しがたいし、批評家連でこれを大層なものとして扱っている人にはなめとんのかという気持ちになる。

追記:弟に感想を伝えたら「え、あれは痛快な終わり方でしょ?」とのこと。シンプルだな!

 

2019-2020

 2019年は精神状態が不安定で、途中からボーカル入りの音楽を積極的に聴くことができなくなった。そのことに関して、特に教訓や自己分析は書かない。しかし、そうなるとヒップホップなんてほぼ無理なので、少し寂しかった。

 唯一聴いていたのが姫乃たま。

 自分が有機体として生きてることに

 僕らはもうちょっとビックリしたほうがいい

 私は常に最新

 常に最新が私

パノラマ街道まっしぐら

パノラマ街道まっしぐら

 

 姫乃さんのnoteの購読も始めた。

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 近頃は周りの友人たちもふんわりと「日本終わってる」という認識で生きていて、その中でどうふるまうかの責任が大きくなってきたと思う。

 そんな中、子育てをしている友人や親族が、皆、混沌とした中で新しい未来をしっかり見ていて、まぶしく映る。

 ここで2020年に向けての教訓などを綴ることはしないが、今年はとにかく自分の内側の欲望に光をあてる努力を続けようと思う。

和合餃子秋葉原3号店でランチの担々麺

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 また行きました。担々麺、無骨な味ですがごまたっぷりでよかった。流行りの担々麺のうまみをがっつり食わせる感じとは違って、香味汁って感じ。たぶん全体的にハズレのない店ですね。麺類にも小皿がつくの嬉しい。

歌舞伎町のショーパブ「nest」と、渋谷 7thFLOORでの「MIDWEEK BURLESQUE」でダンサーいろいろを実感

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 ストリップ以外のさまざまなショーを観てみよう!と思って歌舞伎町のショーパブ「nest」へ。

 ユリイカの「日本の男性アイドル」特集読書会で出会ったMさんがご一緒。私がストリップに行ってることを伝えたら、Mさんが「バーレスク行ってみたかったんです」と言うので、探して出てきたのがこの店でした。

 もともとMさんも私も六本木のバーレスク東京みたいなのをイメージしていたんですが、「六本木ちょっと高いかも」ということで、なんとなく出てきた同店の女子会プラン3000円を予約。

 ショータイムは一日3回。最初の回は19時30分ということで、19時15分に2名予約。

 場所は「ロフトプラスワン」の1階上。真っ黒で重たげな、いかにも夜のお店という風情のドアを開けると、いきなりバニーガール風の衣装に身を包んだ女性が「女子会プランのお客様でーす」と案内してくれました。

 案内されて中に入ると、赤ベースの照明の下に古い映画で見たようなミラーボール、シャンデリア、カーテン、ソファー。広々とした店内に、客は自分たち二人と、おじさん一人だけ。Mさんと一緒に「こういう感じなんすね……」と言い合う。

 案内されてステージが見やすいイスに座ると、女の子も二人、目の前の席に座る。ダンスが始まるまではガールがトークで対応するらしい。あっ、これ接待みたいなやつ?

 しかし、こちらは女の子と話したいわけではないので、どうすればいいのかわからない。「どうしてこの店に来たんですか?」「仕事帰りですか?」というあいさつ代わりの会話から、ダンサーたちのバックグラウンドの話へ。

 3人の女の子と話したのですが、「もともと地下アイドルやってたんですが、アイドルは振付が簡単で。がっつりダンスが出来るショーパブにしました」という子が2人。もう1人の子も、もともとは昼間に働いていたけど、ダンスがやりたくてここに勤めるようになったとか。

「アイドルのダンスってこういう感じ(ファンに向かって手を振る動作)じゃないですか。でも、ちゃんと踊りたくて」「ここはテストに受からないとステージに立てないんですよ。演出のカーテン引いたりとかも全部自分たちでやるし。忙しいですね」

 な、なるほどー!

 ダンスを軸にする人には、アイドルよりショーパブの方が充実感のある職場なのですね。アイドルは時給制じゃないし、ギャラも不明瞭なところが多い。接客は楽ではないだろうけど、ショーパブの方が地に足が着いた仕事なのかも……。うーん、アイドルってなんなんだ。

 ダンスにはちゃんと選考があって、毎ステージ数曲のダンスが用意されているけど、数曲参加できる実力のある子は限られてるんだとか。

 そのほか、「ストリップ行ったことありますよ。よかったです。うちの常連さんが連れてってくれて。彼がリボン投げてたので、やらせてと言ったらダメって」「ポールは股がこすれて痛くなるんで、練習も大変なんですよ」という話などを聞いてから、いよいよステージ。私たちふたりと常連らしいお客さん1人しかいないのが寂しいですが……。

 フロアが一旦暗くなり、壁のテレビにオリジナルPVが映し出されてから、ステージの幕が開く。

 使われる音楽やダンスの種類はさまざまですが、基本的に衣装も振り付けもセクシーで、女体のパワフルな存在感を強調するものが多い。ポールに身体を絡み付けるダンスや、ヒップを強調するダンスなんかも。10人くらいの群舞もあって見応えは十分でした。ひとり黒髪ロングヘアのゴージャスな肉体の人がいて、その人を集中的に観ていました。

 最後はダンサーひとりひとりが握手来るのですが、その時にチップ(1000円ごと2枚)を渡す仕様でした。

 思いの外ダンスが力強く楽しく、2回目のステージも観ました。しかし、お客さんが少なくてなんだかもったいない。

 いろいろ選んでステージに立っている話を聞くと、もっとワイワイした空間で踊らせてあげたい気になってしまいます。2回目はアジアからの10名ほどの団体さんが来ていて、少し賑わいましたが、本来はお客50人くらいで盛り上げながら観るのが正解なんじゃないかな。これも不景気が悪い!

 お店のマネージャーみたいな人に「女の子にドリンクあげてくださいね」やんわり言われて、一杯ずつ払いましたが、本当はここでガンガン注文できる人が「いい客」なんだろうなぁとしみじみ。

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 MIDWEEK BURLESQUEの第76回目。

 渋谷O-nestの上の階。レストラン風の店内にイスを置いての鑑賞です。お客さんは常連が多いよう。ストリップやショーパブと比べると、文化系中年の溜まり場感があります。映画よく観てそうな人が多い。

 演者は5人のバーレスクダンサーPrincipessa Elegante、Milah Swallowtail、Marie Horn、Rui Mariabella、Violet Evaに、ゲストで歌手の赤松ハルカ。

 だいたい一人10~15分くらいの持ち時間で、登場は客席後方から。ステージに上がってからも一度グルッと客席を一回りするのを見て、これはそういう文化のショーなのだなあと納得しました。

 ベリーダンスやジャズダンスなど、ダンサーごとダンスの基礎は違うようですが、脱ぎにおけるじらしなど、基本の型は何となく決まっているよう。特に印象的だったのがタッセル回し。バーレスクでは乳房にふさふさとした装飾を付けるのですが、これを上半身の動きでクルクル回すというのを必ずやっていました。乳房とともにクルクル回るタッセルは、特に色っぽさを喚起するわけでもなく、なんだかシュール。キッチュさを楽しむものだったんでしょうか。

 ショーの演出は人それぞれでしたが、ぴったりとしたドレスや巨大な羽扇子、体の見せつけ方など、欧米のキャバレー文化を喚起させる部分が多いように思いました。

 個人的には大柄な体躯の力強さが魅力のMilah Swallowtailさんと、主催かつトリのViolet Evaさんに目を奪われました。素晴らしいダンサーは踊っている時の方が自然な姿に見えるものですが、Evaさんはそれがとりわけ強く、小さな鳥のような身軽さに憧れを抱きました。

 ただ、MCの人の内輪感が激しすぎてつらかったのと、すました感じのお客さんが多くてなんとなく盛り上がりに欠けたため、ショーの質にもかかわらずなんとなく物足りなさもあり。

 バーレスクって、ああやってすました表情で、ちょっと距離を置いて楽しむものなのだろうか……。でも、客がリボン投げたり拍手したりというストリップや、叫んだり飛んだりする地下アイドルが特殊なのかもしれない。うーん、でも、私はその特殊な方が素直に感情を出してる風でいいななんて。

 帰りに同行のKさんが「狂言と一緒で、本来は下世話に楽しむものなんじゃないか。それをインテリがかしこまって鑑賞しているから、変に見えるんじゃないだろうか」「タッセル回しに気を取られてすぎた。これは本質をとらえられていない見方かもしれない」という話をしていました。

12/26

 後日見つけた、ストリッパー兼フロアダンサーの結奈美子さんの意見。これを読む限り、大道芸人とも近いスタンスですね。

 

  こちらは辻仁成さんによるバーレスクダンサーのエロチカ・バンブーさんへのインタビュー。

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 ストリップとバーレスクの違いを聞かれた際のエロチカ・バンブーさんの回答が面白い。

バンブー ストリップとバーレスクは、シスターみたいな感じ。ショーの要素は近いですけど。元々キャバレーにあったショーダンサーがバーレスクです。お酒を飲んでいる席で、全部は見せないチラリズム。キャバレー付きのバンドがいて、バンドをバックにショーをするという感じです。今はもうほとんど日本では残っていません。ストリップは、もう少しSEXに近いというか。全部見せてお客さんと遊ぶ感じ。昔のストリップ劇場では女性の局部から矢を放って風船を割るなど、”花電車”という伝統芸があったり。それはもうお見事でした! あと、違いは客席との距離感かしら。ストリップは局部を出すとそこにぎゅっと視線が集まるからお客さんとの距離もぎゅっと縮まる。バーレスクは全部見せない分、踊り子さんが発するエネルギーや動きで全体を見せる感じですね。

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